強い痛みを伴う肩の痛みに「肩関節周囲炎」があります。一般的には「四十肩・五十肩」と呼ばれています。四十代、五十代前後の年齢にみられるという意味合いです。急性期は痛みが強く、就寝中にも痛みを感じ目が覚めてしまう人もいます。
肩関節を構成している組織に炎症が起こり、腕を動かそうとすると激痛が走り日常生活動作に支障をきたすことがあります。四十肩・五十肩によくみられる特長として、
①中高年齢層に多く見られる
②はっきりとした誘因がなく発症する
③肩の疼痛・拘縮による可動範囲の制限がみられる
④検査等により肩の痛みを生じる疾患を除外できる
⑤肩の痛みの経過をみていくと、症状がやわらいでいく
◆四十肩・五十肩の病期は3期
肩関節周囲炎の変化は3期に分かれています。
①急性期(炎症期): 炎症が起こり痛みが強く、日常動作がつらく感じます。痛みが強いため、夜間に目が覚めてしまい寝不足になることがあります。
②拘縮期: 痛みがやわらいでいきますが、肩関節の動きに制限が生じます。どのくらい動かすと痛みが生じるか、予測できるようになるため、自身で動かすようにトレーニングを始めることができるようになります。
③寛解期(回復期): 動かしやすくなり、痛みも軽減していきます。肩関節への負荷を軽減する生活の見直しや適度な運動を少しずつ続けていくことが必要です。
こうした肩関節の状態に応じて施術を行います。スムーズに腕を動かし、気になっていた日常動作を自然に行うことができることを目指していきます。
◆外傷や疾患が関与している肩の痛み
※四十肩・五十肩の発症は、外傷後に生じることがあります。たいしたことがない、と思っていた軽い外傷も関与することがあるため、外傷歴についてもお伺いします。
※肩関節の痛みに関連する疾患として糖尿病があげられます。糖尿病が長期に渡るほど、肩関節の関節包が硬化しやすく、肩関節の障害を起こす可能性があるという論文もあります。(糖化ヘモグロビン・血管内皮増殖因子・炎症性サイトカインによる)
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