ぎっくり腰（急性腰痛症）

【ぎっくり腰】　痛みの強さ・症状には個人差があります

「ぎっくり腰」は突然襲われる腰の痛みであり、その名を聞いたことがある方が多いかと思います。

「ぎっくり腰」は病名ではありません。「急性腰痛症」と呼ばれ急に生じる腰痛の中にも様々な原因があります。　

例：　疾患が関係する急性腰痛症

★椎間板ヘルニア・化膿性脊椎炎といった脊椎疾患。

★急性膵炎・腎盂腎炎といった内臓疾患。　　など

来院されるケースで多い「急性腰痛症」（ぎっくり腰）は、不意の動作で腰にギクっと痛みが走り発症する筋・筋膜性、椎間関節、腰椎椎間板の問題に関わるものです。

「急性腰痛症」（ぎっくり腰）は、痛みの強さに個人差があります。強い痛みのため、体を起こせない・歩行困難になる人もいれば、我慢しながらも日常動作は、ゆっくりとであれば行うことができる、という人もいます。

「ギクっ」と腰を痛めた覚えがなく、なんとなく腰の調子が悪いと感じ、翌朝から痛みのためスムーズに動くことができなくなるケースもあります。

◆ぎっくり腰　チェックリスト

下記は、多く見られるケースです。他にも気になる症状がみられましたら、小さなことでもご相談ください。

□　体を動かそうとすると腰に激痛が走り、日常動作が困難になってしまう

□　上半身を起こすことが困難で、一度座ると、立ち上がるまでに時間がかかる

□　最初は違和感程度で、腰痛はそれほど気にならなかったが、時間の経過と共に痛みが強まっていった

□　わずかな動作で痛みを感じるため、一度布団に横になると起き上がるまでに時間がかかってしまう

□　おじぎをすることも体を反らすことも困難で、ぎくしゃくした動作になってしまう

□　歩行は、痛みに耐えながらかなりゆっくりである

□　くしゃみや咳で腰が痛んだり、一度のくしゃみで悪化してしまったことがある

□　寝返りが痛むため、姿勢を変えることが困難

□　骨盤に近い部分やウエストライン周辺のに痛みが生じる

□　横になって膝を曲げていると痛みが和らぐように感じる

◆当院での施術について

①　痛めてまもなく来院される方

痛みが強い場合、いつもは意識せずにできている日常動作が困難であり、トイレへ行くにも時間がかかってしまう場合があります。そのような状態での来院は、躊躇するかもしれませんが、ご家族や知人が付き添われていらっしゃる方が多いです。

「痛みが強い場合、施術時間が長い・強い刺激の方が、効果があるのではないか」といった質問を受けたことがあります。実は「長時間の施術・強い刺激　＝　効果的」ではありません。痛めた状態や検査の結果などから判断し、適切な施術を行います。

②　痛みが少し緩和した頃に来院される方

最も痛みが強い時期はご自宅で経過をみて、ひとりでゆっくりと姿勢を変えたり、歩行が可能になってから、来院される方もいらっしゃいます。

炎症の可能性がある時期は過ぎているかもしれませんが、その後も続く痛みや仕事や家事に支障が生じている状態を脱することができるよう、体の状態を確認し施術を行います。

③　しばらく様子をみても痛みが残る方

自宅で様子をみていたところ、予想よりも回復が早かったため、仕事・スポーツ・育児・家事が可能になったが、気になる痛みが残ってしまい来院されるケースがあります。

姿勢保持や多様な動作を安定させるためには、関節をしっかりと支える複数の筋肉の機能の正常化を目指す必要があります。経過についてお話を伺いながら、施術の方針を決めていきます。

④　痛みが改善しつつあるところで、再度ぎっくり腰に…

ぎっくり腰での強い腰痛から解放されつつあるところで、ふとした瞬間に再度、腰を痛めてしまうことがあります。痛めた患部以外にも、殿部や下肢をはじめ、他部位に問題が生じている場合もありますので、腰以外の部位を併せた評価は大切です。