◆無症状でも起こりうる「バランス機能低下」

予防・発症前に試してみたい【バランスチェックテスト】

自覚症状がなくても神経機能の乱れは【姿勢】に表れる

「すぐに猫背姿勢になってしまいます」

「写真撮影の時に、顔が傾いていると度々注意を受けます」

「椅子に座り勉強をしていると、いつのまにか左側へ体が傾いています」 

姿勢の変化は見た目にも分かりやすく、カイロプラクティックにおいて施術計画をたてる上でも、評価方法のひとつとして取り入れられています。

一般的に姿勢の良し悪しは、主に「立った時の姿勢」「座った時の姿勢」で判断されるかと思います。腰痛や肩こりなど、痛みや違和感といった自覚症状がみられる方であれば、姿勢の変化を気にかけて体のケアをスタートするきっかけとなるかもしれません。

しかし、自覚症状が無く、立ち姿勢や座り姿勢においても、特に気に留めるけっかけがなく、そのまま日常生活を送るケースも多々あり、ある日、肩関節の痛み(四十肩・五十肩など)や手のしびれ、股関節痛といった不調に見舞われることがあります。

バランスがとれるか!? チェックしてみましょう

自覚症状が無くても、実際は日常生活における様々な身体への負荷や心のストレスから、筋肉の機能低下につながり、姿勢の保持・スムーズな動作を損なうようなコンディションに見舞われているケースが少なくありません。

姿勢の保持・スムーズな動作・内臓の働き・心の健康状態といった、「毎日を快適に過ごす」ために整えておくべき神経系の機能は、過ごす環境や日常生活でさらされる様々な刺激の影響を受け、バランスを崩してしまうことがあります。

ひとつの目安として姿勢的なバランスでチェックすることができます。自覚症状がとくに感じられない場合でも、下記のセルフチェックを行いバランスがとれるかどうかをご確認いただければと思います。

姿勢バランスの不安定性、座っている姿勢で疲れを感じる、体を動かすことによる不調など、何か気になることがございましたら、当院へお気軽にご相談ください。

バランスチェック その1                           「綱渡り」をするように歩いてみましょう

チェック方法

① 平らな安定した場所行います。イラストのように、一方の踵(かかと)にもう一方の足の爪先をつけて立ちます。

このスタート姿勢で体が左右に大きく揺れてしまう人もいます。その場合もバランス機能は要注意です。

② 顔は正面向きで、イラストのように10歩ほど、綱渡り・平均台渡りのイメージで歩いでみましょう。いかがでしょうか?

どちらか片方へ傾きがちになってしまう人、左右に動揺しながら歩く人、不安定性の度合いにも個人差がみられます。不安定な歩行の場合は、バランス機能は要注意になります。

綱渡りをするように歩きます

「タンデム歩行」でわかるバランスチェック

痛みなど不具合が無い方は、毎日、特に何も気にせずに「歩行」を繰り返していると思います。しかし、「バランスチェック」を試してみると、ふらつきながらの歩行になったり、立ち姿勢では不安定になり静止していることが困難であることに、気が付くケースがあります。

無症状であっても神経系の働きに問題が生じていることがわかります。 足を一歩踏み出すにしても、複数のシステムにより重心バランスを保ちながら動作を可能にするよう、微調整しながら筋肉が活動をし、歩行をコントロールしています。

バランスがとりづらい歩行でチャレンジします

上記、チャレンジしていただきましたバランスチェック方法(「タンデム歩行」)では、一方の踵(かかと)にもう一方の足尖部(足の指先)を付けて立ち、交互に足を踏み出すことで、綱渡りのような歩行をします。

普段の歩行は、足の位置は横に広いため、安定させやすいですが、タンデム歩行では、足の位置が前後となるため、足底で支持する範囲が狭まり、バランスがとりづらくなります。

バランスチェック その2  ふらつかずに腕を伸ばすことができますか? 

チェック方法

① 万が一の転倒に備えて、必ず壁などつかまるところができる場所で行ってください。スリッパ・靴下などは脱ぎ、滑らないようにします。軽く足を開いて足元を安定させ、顔は正面へ向けて立ち、手は軽く握り、腕を肩の高さまで(床と平行になるように)挙げます。

② 足の位置を変えずに上半身を傾け、腕は床と平行のまま前方へ可能な限り伸ばしていきます。

ふらついて足の位置がずれたりしませんでしたか?

③ バランスを崩さないよう気をつけながら、①のポジションまで戻ってみましょう。

腕を前方へ伸ばし、バランスを崩しやすい状態かチェック

この方法は、機能的バランスを確認する「ファンクショナルリーチ」というテストを参考にしたものになります。本来は、メジャーを使い、スタート位置から重心の位置を変化させながら、腕を伸ばした位置までを計測して、バランスをとることができるか・転倒リスクをみていきます。 

上記のチェックでは数値はみませんが、姿勢を変化させることでバランス調整ができるかどうか、ご自身で体感するきっかけになるかと思います。バランスを崩して転倒をしないように、すぐに体を支える補助となる壁や机などがある場所、もしくは、補助が可能なご家族の方と一緒に行っていただければと思います。

◆まとめ

腰痛や膝の痛み、背中の張りなど自覚症状がある方がこれらのテストを行い、姿勢の不安定性を実感すると「やっぱり腰痛があると姿勢を保つにも負担がかかりやすいのかも……」と思う方がいらっしゃるようです。

一方で、無症状であるのにバランスを崩してふらついてしまったという人は、その結果に驚き「なんで!?」と苦笑する方が多いように感じます。

いつもの生活習慣や過ごす環境により、繰り返し神経系を乱す刺激が入り続けると、体の働きに異常が生じる可能性がある、ということになります。姿勢バランスのチェックは、その可能性を知る簡単な方法のひとつです。

また、大きな精神的ストレスのあった直後に行うと、これまで以上に姿勢バランスをとりづらくなる、といったことも起こるため、心の健康と神経系の働きも密接な関係があることがわかります。忙しくストレス解消がなかなかできない、という方もカイロプラクティックによるサポートの適応となりますので、ご相談ください。